2017年11月7日火曜日

バルサミコ酢とコンディメント

素敵なコンディメント (Condimento) を紹介します。
「Acetaia Picci Riserva Quarto Barile」というコンディメントで、先述したイタリア展で購入しました。ラポルティというお店で、ネットの店舗で販売されております。

バルサミコ酢とは異なりますが似ており、好みに応じてバルサミコ酢の代わりに使用できます。


上記写真の製品は、レッジョ・エミリア地区で生産されたコンディメントで、熟成10年ものです。ラポルティのリンク先に詳細が説明されておりますが、原料は葡萄ジュースのみでビネガーが入っておりません。そのため酸味が弱く、ブドウの香りをじっくりと楽しめます。

バルサミコ酢の生産地はエミリア・ロマーニャ州のモデナ地区 (Modena) とレッジョ・エミリア地区 (Reggio Emilia) のみ。
メジャーなのはモデナ地区生産のバルサミコ酢です。

このバルサミコ酢、Tradizionale の場合は、それぞれの生産地が記載されております。
※Tradizionale となるには12年以上の熟成が必要です。

Aceto Balsamico Tradizionale di Modena
Aceto Balsamico Tradizionale di Reggio Emilia 

ただし、Aceto Balsamico di Modena と記載されているバルサミコ酢の場合は、実は生産はモデナ地区だけではなく、レッジョ・エミリア地区も含みます。また、製造にあたり、ビネガーが加えられます。

※下記のリンク先の2ページ目の最後の方、第3項の生産地区 (Zona di produzione) の項目に、バルサミコ酢 Aceto Balsamico di Modena の生産地の定義があります。

file:///C:/Users/takay/Downloads/Normativa-IGP-La-Bonissima.pdf

=引用始=

Art. 3.
Zona di produzione
La produzione dell’«Aceto Balsamico di Modena» deve essere effettuata nel territorio amministrativo delle province di Modena e Reggio Emilia.

=引用終=

バルサミコ酢とコンディメント、イタリアのエミリア・ロマーニャ州の特産品で、独特の味わいがあります。イタリア料理には頻繁に使用されます。このブログでもバルサミコ酢を使用したイタリア料理をアップしていきますね!


2017年10月30日月曜日

日曜日のランチ pranzo della domenica

日曜日は大雨でしたね。
夫の両親が孫に会いに訪ねてきました。
イタリア料理のリクエストをいただいたので、お昼ご飯を用意しました。

まずはラザニアです lasagne。

私が子供の頃、日曜日に家族が集まった際のお昼ごはん (pranzo) には、ラザニアがよく出ました。トマトソースが多いため、ちょっと色が濃い目です。


ピサのスープ Zuppa alla pisanaです。
ポルチーニのリゾット Riso con porcini 。

マッシュルームの肉詰め Champignon con carne 。
デザート (dolce) は、フィレンツェのスキャッチャータ Schiacciata fiorentina 。
フィレンツェの伝統的なお菓子で、通常はワイン用のブドウを使いますが、今回は普通のブドウで作りました。
ハロウィンはイタリアの伝統行事ではありませんが、最近は日本と同じように、若者が仮装して楽しんでますね。

大勢の人々でテーブルを囲む日曜日のお昼、とっても久しぶりで、イタリアでの日々を思
い出しました。
楽しい秋の午後でした!

2017年10月23日月曜日

栗の粉のパン

栗の粉とセモリナ粉 (2度挽き) で作ったパンです。


ドイツの黒パンに似ておりますが、味は全く違います。
栗の香りが口の中に広がります。


栗の味のパンって、日本ではパン屋でもレストランでもほとんど扱ってないような気がします(私は見たことがありません)。

この栗のパン、家で用意し、10月26日のオーガニック料理のレッスンで、食卓に添えようと思います。

べリタリアのオーガニック料理教室 10月26日 11月16日

べリタリアでの私の料理教室「In Cucina con Mara Brogna マーラ・ブローニャのイタリア料理教室」で、2か月に一度、「オーガニック料理」の教室を開催しております。

10月26日 (木) は「サフランとパルミジャーノ風味の栗のリゾット」。
サフランの香りに栗の甘みがほどよくマッチしたリゾットです。

11月16日 (木) は「フィレンツェ風煮込み料理のリボリータ」。
再び煮る、という意味の野菜の煮込み料理。
黒キャベツ (cavolo nero) と白インゲン豆 (fagioli cannellini)、野菜をたっぷりと入れたフィレンツェの伝統料理で、パンが野菜と一緒に中に入ってます。

トスカーナ地方のそれぞれの町には、同じような野菜の煮込み料理があります。
ピサには Zuppa alla pisana という野菜の煮込み料理がありますが、パンは入りません。




有機栽培の食材をふんだんに使った料理になります。
ご参加、お待ちしております!


2017年10月15日日曜日

べリタリアのイタリア料理教室 10月20日

お知らせです。
私が勤務するべリタリアの「In Cucina con Mara Brogna マーラ・ブローニャのイタリア料理教室」の件です。
10月コースの第一回目、10月20日 (金) のメニューを紹介します。


このレギュラーコースでは、季節の食材を使用して3品のイタリア料理を扱います。
今回は、もちろん秋の食材。「きのこ」と「かぼちゃ」です!

①前菜(Antipasto)
②パスタ(Primo piatto)
③肉料理(Secondo piatto)

まずは①のアンティパスト。
イタリア名は「Crema di porcini con gamberoni」。エビとポルチーニの濃厚ポタージュ。ポルチーニはイタリアでポピュラーなきのこです。


次は②、プリモピアット。かぼちゃを使用したソースのパスタです。


パスタはタリアテッレを使用。

最後は③のセコンドピアットです。バルサミコ酢を基調とし、かぼちゃと果物を加えた豚肉料理です。

ご参加をお待ちしております!

2017年10月9日月曜日

イタリア展 2017 ④

最後はイタリア展で出会った「チーズ」について。

トスカーナのピエンツァで「無農薬栽培」を手掛ける農場、ポデーレ イル カサーレ (Podere il Casale)。
このイタリア展のため、経営者のご子息が来日にして店頭で販売。

彼らが経営する農場では、子供と大人相手に農産物の作り方教えるコースを開催しているとのこと。同じトスカ―ナなんで、来年の帰省の際には、チーズ作りの教室にぜひもと子供と一緒に参加してみたくなりました。

購入したチーズは、左から2番目のヤギのチーズ、その右隣のカベルネ熟成のペコリーノ、写真一番右のペコリーノの3種類でした。
カベルネ熟成のペコリーノは、まさに赤ワイン味のチーズ。あと、試食したサフラン入りのペコリーノも面白い味でした。


最後に訪れたのは ピアッティ
毎年、今度は駒場のお店に伺うと言いながら、訪問しないまま1年が経ち、このイタリア展でお会いしております。

Frutta di Grappa di Moscato を購入。羊と牛の乳をミックスしたチーズを、ドライフルーツとグラッパに漬けて熟成したもので、私は初めて見ました。

本マグロで有名なファビニャ―ナ島で栽培した塩漬けケッパーも発見。
イタリアでは、粒が小さいケッパーの方が味がよく、また崩れにくいため、高級品として扱われます。

こちらのマスターが注文後に生ハムをスライスし、切り立てを販売。

マスターは笑顔に溢れる、とっても気さくな方で、イタリア語も堪能。
来年のイタリア展までには、ぜひとも駒場のお店に伺おうと思います。

以下、イタリア展で購入したチーズです。
 右下:Frutta di Grappa di Moscato 
 右中:カベルネ熟成のペコリーノ
 左下:ヤギのゴルゴンゾーラ
 左中:ヤギのチーズ
 上 :ペコリーノ

あと左上にあるパンは、私がアルタムーラのセモリナ粉(二度挽き)で作ったパンです。

イタリア展、毎年なにか発見があります。
出店されている皆さん、関東地方の方々のみならず、日本全国、そしてイタリアからもお越しになられてます。
イタリア料理教室で講師を務める私にとって、本物のイタリア食材、またそれらを扱うプロの方々と触れ合うことができるイタリア展は、たくさん学べて啓発してくれる、とっても貴重なイベントです。
はやくも来年のイタリア展が楽しみです。

イタリア展 2017 ③

イタリアの名産品のひとつに「オリーブオイル」があります。
このイタリア展でも多くのお店がオリーブオイルを扱っており、どれも高品質なものばかりでした。

昨年のイタリア展で、生産者として店頭でプロモーションをしていた、愉快なシチリア人のアルベルトさん。また会えるかと探してみましたが、今年はさすがに来日しておらず。しかしアルベルトさんのオリーブオイルを取り扱うお店は出店しており(光が丘興産)、販売担当の親切な女性も流暢なイタリア語で説明してくださり、今年もアルベルトさんのオリーブオイルを堪能できました。

このイタリア展の醍醐味は「試食」。どこのお店も試食用のサンプルを取り揃え、味見により、味の違いを楽しむことができます。

試食の末、子供と夫が気に入った樹齢500年のオリーブオイルに決定しました。

これが樹齢500年のオリーブの木(店頭に置いてあった写真より)。

アルベルトさんの生産現場(店頭に置いてあった写真より)。

一般的にオリーブオイルの収穫期は毎年秋のため、新オリーブとして10月~11月に発売されたオリーブオイルは、摘み立ての匂いを強く感じます。
この樹齢500年のオイル、おそらく昨年の秋に収穫して搾油したオリーブオイルと思われますが、摘み立ての香りがとっても強いので驚きました。さすが500年です!



次は神戸の輸入食材屋 ポルコバッチョ が販売している、ボナイユート(Bonajuto)社の「古代チョコレート」。シチリアのモディカで最古のチョコレート工場を有する会社です。
販売されていた男性、チョコレートに詳しく、やはりイタリア語も流暢で、様々なチョコの試食を楽しめました。


シチリアのボナイユート本店の写真(店頭に置いてあった写真より)。


今年は2つ、シナモンフレーバーのカカオ50%(赤い箱)とカカオ80%(白い箱)を購入。
50%でもけっこう苦みがあり、味はチョコと砂糖の甘味のみで、まさにチョコレートそのものを味わえます。さすが古代のチョコ!?
80%のチョコは、カカオのおいしい苦みを存分に味わえました。


せっかくなので、昨年同店にて購入したカラスミのチョコの写真もアップ。チョコとカラスミのミックス、不思議な味でした。


カカオはスペイン王国がアステカ帝国から持ち込んだ産品。
シチリアは当時スペイン王国の支配下のあり、そのためモディカの町はスペイン人により、イタリアでいち早くカカオがもたらされました。モディカがイタリア南部のシチリアにありながらチョコで有名なのは、こういった歴史からのようです。